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うすいビールを飲み干して鳥たちはまた飛んだ
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スパルヴィエロは、木の枝の上。
山の主から預かった荷物が揃っているか、膝の上に並べて確かめていました。
ちょうど、何やら怪しげな中身の小瓶を摘んで、眉をひそめて目の前に持って来ていたところでした。






「聞いてほしいことがあるの」


木の下、聞こえたのは少女の声。
凛としているような、かよわく震えているような、不思議な響きの声でした。


花束とプッシィ・フット




それはもう明らかに、全く違う世界から、自分の意思に因らずやって来たのでしょう4人程に比べれば、
山の主と、スパルヴィエロと、それからこの少女は近しいもののように思えました。

例えるなら、4人――といっても、うち1人はまた少し異なるようですが――を作る素材と、
3人を作る素材は違っていて、また、3人の素材たるものは、この島にあるものにより近いような、


なんて、これはスパルヴィエロの、今まで見てきたものごとからの当てずっぽうです。


スパルヴィエロは、そもそも、もともと、お別れをお別れと思った事がありませんが、
様々なひとびとに出会ったので、そう思う人がいることも知っています。

涙をこぼして抱き合ったり、歌って踊って送り出したり、
ひとは実に様々なお別れと、お別れへの向き合い方を持っていました。


小さなポフポコと、大きなフレグランスと、カゲモトやチヒロも耳を寄せ合っているでしょうか。
ポフポコと仲良しのさなぎは、つられてしょげていやしないでしょうか。
山の主は、子供達は、さて、どうでしょう?


「くく」


スパルヴィエロと目が合ったなら、きっと、肩を竦める様子が見えたことでしょう。

スパルヴィエロは、もうお喋りが終わったかという頃に、ようやく枝から飛び降りてきました。
聞いてなかったわけじゃない、なんて、とぼけたことを言いながら。




本当に、本当は。
スパルヴィエロは、小さなポフポコが村でいちばんの美人になった頃にでも、
ひやかしに行ってやろうなんて思っていたけれど。

それは内緒にした方が、きっと楽しい出会いになるね。
そうでしょう、スパルヴィエロ?


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