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うすいビールを飲み干して鳥たちはまた飛んだ
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 さて、と腕を組んで考え込むことを、始める寸前のカゲモトに、ゆっくりのしかかる撥ねっ髪。
 おやおや、ついこの間はそのお話が聞こえるだけでへそを曲げていたっていうのに、
 どういう風の吹き回しでしょうか?





安寧のディアブロ・ロッソ




「風の巡りでも良くなったかい」

 小さなポフポコと大きなカゲモトがおしゃべりをしている様子を、眺めていたところに頭の上から声が落ちてました。

「べつにぃ」

 そう応えてお酒の瓶を傾ける、スパルヴィエロはやっぱりご機嫌ではなさそうです。
 一度だけ、参加する仲間の応援にとお弁当をこしらえたさなぎについて、見に行った例の闘技大会。
 それは噂に聞くままお祭り騒ぎのような、賑やかな集まりでした。
 戦い終えて笑顔で握手を交わす人、休憩に仲間の料理をつまむ人、悔しそうに地団太を踏む人、それを慰める人、


手合わせは勝負だけれど戦いではない?



 そんなような事を、隣に居合わせた人の良さそうな冒険者が言っていました。
 スパルヴィエロには、よくわかりません。
 さなぎに尋ねてみようかとも思ったけれど、さなぎはそれどころじゃあないようだったから、人を掻き分け飛び込んでいくのを止めもせず。

「ただの頭数っちゃけん」
「そうかい、有難いね」

 チヒロはいつだって、スパルヴィエロに多くを尋ねません。
 スパルヴィエロもいつだって、チヒロに多くを尋ねません。
 知りたくないんじゃあありません。ただ尋ねないのです。


 尋ねられたわけではないから、これはひとりごとに過ぎないのです。


「平和ってなぁ、麻酔か悪魔のたぐいやな」



 苦虫を噛みつぶしたような“変な顔”は、瑞々しく茂る葉の影が隠してくれたでしょうか。




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