うすいビールを飲み干して鳥たちはまた飛んだ
泣いたり笑ったり、小さなポフポコがくるくる表情を変えるから、集まった人々もひと安心です。
縁の盃とばかりにお酒を注ぎ始めた山の主を尻目に、
スパルヴィエロは葉っぱを銜えてきょろきょろ、ぐるり。
変わった風貌の二人組。スパルヴィエロはサムライ、シノビを知っています。
にやにや眺めていたら、マゲの男が眉をきゅっと顰めていました。
そうしてなぜだか無言で手渡された、鉄だか何だか分からない物をこねたり削ったり、
スパルヴィエロは鼻歌なんて歌いながら、皆の話し合いを聞いていました。
本当は、対応に困ったのだろうとは分かっているけれど、
しらんぷりはスパルヴィエロの得意技でした。
たまたま集まった目的もばらばらの旅人達が、書きかけの地図を囲んで話し合っています。
山の主のお酒はもちろん、蝶々みたいに可憐な少女のうっかりクッキーの香りまでもが、
まるで一つの部屋にいるみたいに皆を囲んでいました。
スパルヴィエロは、この景色がけっこう、好きです。
「くくく」
ひとりくすくす笑って、マゲの男の後ろから、着物の襟首を引っ張り開けて、
出来上がったものをぽとりと落としました。
彼の相棒は、取り出したそれを見て
「十手じゃないか、よく知ってるな」なんて笑顔で言いましたが、
いたずらを受けた方とした方はとりあえずそれどころではないようでした。
「何これかっこいいねー、目に風が入らなくてよさそうだ、僕も欲しい…」
ひっくり返ったり腕の下を潜ったりしているうちに、
辿り着いたのは大きなフレグランスの後ろ。
そのまま持ち上げられてしまいそうな大きな指で、
ゴーグルをつんつん、物珍しげにつついています。
けれど、スパルヴィエロも含めてきっと聞いていた何人かの、
いかにも不思議そうな視線が集まってようやくフレグランスは手を打ちました。
「あはっ、僕は天然で持ってたや!」
「んん、蝶のお嬢さんはいける口かい?」
「こ、これ、ごめんなさい、焦がしちゃって、、、水もかかってしまって、あの、味、、酷いかも、、、」
「甘酒くれたから、今日もがんばっちゃうの!こねこね!」
「歩行雑草って生き物は面白いから好きだけど、性的に好きというのとはまた違うよ?」
「…眩暈がするわ…」
スパルヴィエロは、にぎやかなことはけっこう、好きです。
「ふひひ」
暖炉のグッド・フェロー
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